Answer
6週以上経過している非還納性ヘルニアは注意深い経過観察でもよい(推奨グレードC1)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」68頁より
解説
男性の無症候性ヘルニアの嵌頓率や致命的な状況になる確率は低く{無症状男性鼠径ヘルニア(ただし還納性だった症例で6週間以内に非還納性となった症例は除く)の経過観察における嵌頓率は0.27%、4年間で0.55%}経過観察で良いと考えられる。
ただし、日本での研究ではなく、本邦での大規模な調査研究が必要である。
現状では、個々の症例ごとに判断されるべきで、待機的手術の方針が否定されるものではない。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」68頁より
注記*
経過は上記の通り(注意深い経過観察でもよい)かもしれませんが、鼠径部ヘルニアは“重力”に負けた身体の組織が作り出す疾患であり、日々“重力”を感じる組織は徐々にもろくなっていきますので、ヘルニアは巨大化していきます。
その結果、手術は困難になっていくことを覚えておいてください。
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