Answer
Kugel法は成人鼠径部ヘルニアに対して推奨できる術式である(推奨グレードB)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」43頁より
解説
成人鼠径部ヘルニアに対して、Kugel法はLichtenstein法に比較してその再発率に差はなく、推奨できる術式である。
また、成人鼠径部ヘルニアのすべての病型に有用である。
日帰り手術も可能であり、腹膜前腔の愛護的剥離操作が合併症を減らす。
Plug法やPHS法との比較はある。一方で、不慣れな手術による膀胱損傷、術後腸閉塞、遅発性動脈出血などの重篤な合併症の発生が報告されており、手技の習熟が重要とされる。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」43頁より
(ただし、太字への変更及び下線は筆者)
【総合外科医の眼】
Kugel法 という術式は皮膚切開創が小さい中で行うにはとても難しい術式です。この術式を習得するのは難しく、手術時間もかかります。この術式が得意な術者が行えば推奨できる術式である と言えるでしょう。
日本では日帰り手術専門クリニック以外で、一人の術者が100件/年を経験することは極めて困難な環境です。その点腹腔鏡手術はモニターを観ることで手術手技を経験できるメリットがあり、今後更に普及する術式であると考えます。
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