院長ブログ

身体所見以外の診断方法は何か?(CQ3-1 )

Answer

身体所見の不明確な場合や症状から疑わしい例には超音波、CT、MRI、ヘルニオグラフィーなどから侵襲度などを考慮して行う(推奨グレードC1)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」23頁より

解説

鼠径ヘルニアの診断は身体所見のみで診断される場合が多く、診断率は70~90%とされる。

超音波診断は最も非侵襲的で存在診断に有用である。

CT、MRI検査は脂肪腫や大腿ヘルニアの診断あるいはその併存の診断が可能である。しかし内・外鼠径ヘルニアの鑑別には限定的である。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」23頁より

注記*

*とありますが、最近の単純CTでは下腹壁動静脈の同定も可能であり、脱出内容やpantaloon型、大腿ヘルニアなども描出可能であり、ALOHA外科クリニックでは術前実施している検査です。

『総合外科医の眼』

ヘルニア条件(腹臥位)は亀井先生の素晴らしい論文です。術前正診率=98.6%という結果で、これまで鼠径部ヘルニアを視診・触診のみで診断してきた歴史を変化させた大きなイベントだと思います。ベテランの医師の中には「鼠径ヘルニアでCT撮るの?」と仰る先生もいらっしゃいますが、病型(外鼠径・内鼠径・大腿ヘルニアの鑑別)分類、手術の困難性予測、対側病変の有無などに有効な検査と考え、ALOHA外科クリニックでは術前に必ず実施する検査です。

副産物として・・・ コロナ禍の術前検査として、肺のCT検査も実施することにした結果、約8ヶ月で4例の肺癌が発見されました(その他 乳癌1例)。鼠径部ヘルニアは慢性肺疾患の患者に発症することが多いので、当然の結果かもしれませんが、早期発見のきっかけとなり、病気の診断と治療の提案をすることができました。

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