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★ CQ28 下腹部手術後の成人鼠径部ヘルニアに対して推奨される治療は?

Answer

腹膜前腔の剥離操作の少ない、鼠径部切開前方到達法によるメッシュ法が一般に容認されている治療法である(推奨グレードC1)。
腹腔鏡下ヘルニア修復術はその合併症頻度から十分な説明のもと習熟した外科医が行うエキスパートオプションである(推奨グレードC1)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」77頁より

解説

下腹部手術既往のある症例に対する腹膜前腔の剥離操作は、癒着の影響で困難な場合がある。

EHSガイドラインにはメジャーな下腹部手術既往のある症例に対してLichtenstein法は一般に容認されている治療法であると記載されている。

Lichtenstein法の普及率の低い本邦においては、前立腺全摘後の鼠径ヘルニアに対し腹膜前腔の剥離操作の困難さからPlug法で修復を行ったという報告が多い。

その他にPHS法、Marcy法、Lichtenstein法、Iliopubic tract法による修復術が報告されている。

一方、腹腔鏡下ヘルニア手術に関して、Ramshawらはその合併症の頻度から下腹部手術既往のある症例に対するTEPは(特に経験の浅い外科医にとって)相対禁忌であると述べている。

しかしながら後に、手術手技の改良により下腹部手術既往のある症例においてもTEPは安全に施行可能であるとしている。

他の報告も同様で、合併症や再発のリスクが上昇する可能性があるが、十分に熟練した外科医が行えば安全に施行可能であるとしている。

TAPP法での報告はほとんどないがTEP法と同様の結論である。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」77頁より

注記*
ALOHA外科クリニックは「日帰り手術」専門のクリニックですので、原則として腹部手術既往のある症例では開腹法(1cm程度の傷)にて挿入したポートから腹腔鏡を挿入し腹腔内を観察します。

軽微な癒着であればそのまま腹腔鏡で手術をすすめますが、手術時間が3時間を超えると予測される症例は「日帰り手術」に適しませんので鼠径部切開法に変更して手術を完遂します。

特に「日帰り手術」は安全が重視されます。

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