院長ブログ

★ CQ25-1 鼠径ヘルニア手術は性機能に影響を与えるか?

Answer

鼠径ヘルニア手術は性行為中の鼠径部痛や射精障害等の性機能障害を改善させる。メッシュ法は男性不妊の原因とはならない(推奨グレードB)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」70頁より

解説

性行為中の鼠径部痛や射精障害等の性機能障害は鼠径ヘルニア患者の2.4~23.2%に認められ、臨床的に重要な問題である。

術後に性的機能障害の頻度は1.0~6.0%に減少するとされる。

一方、術前性行為中に疼痛がなかった2.3%で術後に中等度から重度の(VAS4-10)疼痛が出現との報告もあり注意を要する。

術中の神経損傷や慢性疼痛をきたす神経の配置が、発生の原因とされ、病理学的には繊維化による精管の巻き込みや神経損傷による慢性疼痛状態とされる。

使用するメッシュはlight weight meshが良いとされる一方、精子運動性はむしろ低下との報告もある。

精巣機能についてはFSH、LH、血清テストステロン・レベルに影響を与える可能性はあるものの、精巣容積、血流についてはメッシュの使用による影響は少ない。

メッシュの配置位置(前方、後方)も精巣血流には影響せず、精子形成機能に差は認められない。

メッシュの使用による男性不妊の可能性については両側手術の場合リスクがやや増加するものの無関係である。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」70頁より

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