院長ブログ

予防的抗菌薬は術後のSSIを予防するか?(CQ21 )

Answer

特別な併存疾患のない成人鼠径ヘルニアの予定手術(鼠径部切開メッシュ法)では、予防的抗菌薬による手術部位感染症の予防は限定的である。NNT(Number Need to Treat)=56。感染リスクの低い症例ではルーチンの予防的抗菌薬の使用を避けることを検討するべきである(推奨グレードB)。
両側鼠径ヘルニア手術、ドレーン留置、長時間手術等の感染リスクを考慮し抗菌薬の使用を検討してもよい(推奨グレードC1)。
※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」62頁より

解説

海外の鼠径部ヘルニアの手術部位感染は0.4~4.8%、本邦では0.46~2.7%である。

特別な併存疾患がない成人鼠径ヘルニアの予定手術において、予防的抗菌薬投与が術後手術部位感染症を有意に減少させることは限定的である。

ルーチンの予防的抗菌薬の仕様を回避することで、抗菌薬に起因するアレルギー等の副作用や耐性菌の獲得のリスク、コストを減少できる可能性があり、手術時間が64分を越える場合やドレーンを留置した場合、感染のリスクが高まることが知られている。

また両側鼠径ヘルニア同時手術では、片側鼠径ヘルニア手術と比較して術後手術部位感染が有意に多いと本邦からの報告がある。

なお、最近のメタ分析では予防的抗菌薬により有意な手術部位感染症予防効果を示したものもあり、今後ガイドラインが見直される可能性がある。

※「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン 2015」62頁より

(ただし、太字への変更及び下線は筆者)

**ALOHA外科クリニックでは

TAPPは限定 高齢者とBMI>25以上に使用を検討

 鼠径部切開法は、全身麻酔困難例であり、術前CEZ単回投与しています

抗菌薬に起因するアレルギー等の副作用は救急搬送のリスクを伴い、また医療コストの 削減にも寄与すると思われます。

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